たなか、買ってます そのスリーブ、箱に収まりますか

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フィッシェン2

前作の面白さはそのまま。持っていても、もう1箱として買える

机に置いた『フィッシェン2』の箱の表。緑の網目の地に、魚の入った木箱を抱えた漁師の絵
人数
3-5人
時間
40分
デザイナー
フリードマン・フリーゼ
パブリッシャー
サニーバード
おすすめ
トリックテイキング好きに / 前作が好きならもう1箱

ゲームの流れと場

プレイの流れ

  1. 全員が1枚ずつ出し、一番強い人がその場のカードを取る 最初に出た人と同じ絵柄を持っていたら、必ずそれを出す(マストフォロー)
  2. 取ったカードが、そのまま次のラウンドの手札になる 「今ここを取るべきか」を、得点だけでなく手札の中身でも考えることになる
  3. 手札が足りない人は、中央の大海原山札から補充する 強いカードが眠っている。つまり負けた人ほど強いカードを手に入れる

最初に戻ってくり返す

ふつうのトリックテイキングと違い、勝って取ったカードが得点で終わらず、そのまま次の手札になる。この循環がこのシリーズの骨格。

場の様子

自分 2人目 3人目 4人目 5人目
大海原山札 場に出されたカード 5人で遊んだときの並び。手札が規定枚数に足りない人は、中央の大海原山札から補充する。

進行につれて増えるもの

  1. 開始時 計 2 ペリカン エビ この2種類の絵柄だけで始まる
  2. 進行に応じて 計 3 ペリカン エビ クラゲ
  3. さらに 計 5 ペリカン エビ クラゲ アンコウ ウツボ 切り札になる絵柄
加わる すでにある 最初はシンプルな状態から始まり、だんだん複雑になっていく。加わる順序は本文のとおりで、何ラウンド目かまでは記していない。

前作『フィッシェン』が良かったので、続編の『フィッシェン2』も買って5人で遊びました。

結論から書くと、前作の面白さはそのまま入っています。新要素が全部効いているとは言えませんでしたが、あの感触をもう1箱ぶん増やせるという意味で、前作を持っている人が買うのも十分ありだと思いました。まだどちらも持っていない人には、まずは前作をおすすめします(理由は後述します)。

以下、前作との違いを中心に書きます。


そもそもどんなゲームか

先に、言葉の説明を

このジャンルは呼び名が独特なので、先に4つだけ。ここさえ押さえれば以下は読めます。

  • トリックテイキング — 全員が手札から1枚ずつ場に出し、いちばん強いカードを出した人がその場の全部を取る。これを手札が尽きるまで繰り返す遊び方のこと。「トリテ」と略されます
  • トリック — その1回ぶんの勝負。「トリックを取る」=その回に勝つ、という意味です
  • 絵柄(スート) — トランプでいうハートやスペードにあたるもの。このゲームではペリカン、エビ、クラゲといった海の生き物です
  • 切り札 — 特別に強い絵柄。他の絵柄がどれだけ大きい数字でも、切り札が出たらそちらが勝ちます

もうひとつ、マストフォローという言葉が出てきます。「その回の最初に出た絵柄を持っていたら、必ずその絵柄を出さなければいけない」というルールです。好きなカードを自由に出せるわけではない、と思ってください。

で、このゲームは

ひとことで言うと、トリックテイキングなのにデッキ構築です。

ふつうのトリックテイキングなら、勝って取ったカードはそのまま得点になって終わりです。このゲームが変わっているのは、取ったカードが次のラウンドの手札になるという点。つまり「今ここを取るべきか」を考えるとき、目先の得点だけでなく「このカードを手札に加えたいか」まで見ることになります。

そして手札が規定枚数に足りないプレイヤーは、中央の「大海原山札」から補充します。ここには強いカードが眠っている。つまり負けた人ほど強いカードを手に入れる構造です。

これを全8ラウンド繰り返します。1回の勝ち負けより、8ラウンドかけて自分の手札をどう育てるかを見るゲームです。

この「最初のトリックで勝ったからといって、勝てるとは限らない」感覚が、このシリーズの一番おもしろいところだと思っています。

作者は緑の魔術師ことフリードマン・フリーゼ。日本語版はサニーバードから出ています。

2で変わったところ

大きく3つあります。

1. 切り札が毎トリック変わる

2からの新要素です。固定ではなく、トリックごとに切り札が移り変わっていきます。

2. 絵柄が少しずつ増えていく

開始時はペリカンとエビの2種類だけ。進行に応じてクラゲ、さらに切り札になるアンコウやウツボが加わってきます。最初はシンプルな状態から始まり、だんだん複雑になっていく構造です。

3. フグ

どの絵柄としても扱える特殊なカード。トリックで一番弱かったプレイヤーが引き取ることになります。


良かったところ

フグの仕掛けがうまい

これは素直に良かったです。「一番弱かった人が取る」という仕掛けは、このゲームの「負けたほうが得をする」思想とかみ合っていて、トリックを落としたときの気分が悪くなりません。

絵柄が徐々に増えるのは、読み合いとして機能する

最初から全部の絵柄が出ているのではなく段階的に増えるので、相手の手札を読む感覚が途中で切り替わります。ここは新要素として機能していたと思います。

ただ、正直に書くとやや地味です。派手な驚きがあるタイプの変更ではありません。

前作のプレイ感はしっかり残っている

「最初のトリックで勝つから勝てるとは限らない」という前作の骨格は健在です。ここが崩れていたら続編として失敗ですが、そこは心配いりませんでした。


物足りなかったところ

切り札が毎トリック変わることの意味が、あまり感じられなかった

これが正直な感想です。目玉の新要素のはずなのですが、5人で遊んだかぎりでは、あまり効いていないように思えました。

理由は単純で、出せるカードが先に決まってしまうからです。マストフォローなので、その回の最初に出た絵柄を持っていれば、それを出すしかない。切り札がどの絵柄に移ろうと、自分が出せる手は変わりません。切り札が効いてくるのは手持ちにその絵柄が無いときだけで、そこはもともと選択の余地が少ない。

派手な見出しになる変更のわりに、実際の判断が増えていない、という印象でした。

※これは5人戦での印象です。人数が減って手札が偏りやすい状況なら、また違って見えるかもしれません。

全体として、新鮮味はそこまで無い

前作が完成されているぶん、続編として驚きは大きくありませんでした。悪いゲームという意味ではなく、「前作が良すぎた」という話だと思っています。


ルールで迷った点

その回の絵柄を1枚も持っていないとき、フグを必ず出さなければいけないのか。 ここが最初に読んだときは分かりませんでした。

答えは出さなくてよいです。フグを持っていても、フォローの義務は発生しません。手札に残したまま、別の絵柄を出して構いません。

フグはどの絵柄としても扱えるカードなので、「その絵柄を持っていることになるのでは」と考えると出す義務が生じそうに見えます。同じところで引っかかる人がいそうなので、解決済みですが残しておきます。

※これは教えてもらった内容で、ルールブックの該当箇所まで自分で確認できたわけではありません。原文で裏が取れたら、その旨に差し替えます。


で、買うべきか

前作を持っている人 — 買って良いと思います。プレイ感が前作と地続きなぶん驚きは大きくありませんが、裏を返せば前作で好きだった部分がそのまま入っているということです。そこにフグの仕掛けが足されるので、同じ卓で続けて出せる2箱目としてはしっかり働きます。

どちらも持っていない人 — 前作(無印)から入るのをおすすめします。 完成度で言えば1です。2から入っても遊べますが、1本だけ選ぶなら迷わず前作です。


使っているスリーブについて

このゲームに使ったのは**ホビーベースの「両表面エンボスマットスリーブ ボードゲームサイズ・ソフト」(CAC-SL57)**です。

メーカーの公称値は 58.5×91mm、厚さ0.05mm、対応カードは 57×89.5mm、101枚入り。このゲームのカードは実測 56×87mm なので、少し余裕をもって入ります。

このゲームは獲得したカードがそのまま次の手札になるぶん、シャッフルする回数がかなり多くなります。表面が平らなスリーブだとカード同士が張り付いて切りにくいので、エンボス加工(表面に細かい凹凸があるもの)のものにしました。

何枚要るか

ルールシートに載っている内容物は以下です。

内容物枚数
プレイカード99
漁師カード5
漁船カード5
「これが切り札」カード1
ラウンドカード3
矢印カード1
カード計114
早見表5
ルールシート1冊

カードは 114枚。早見表はカードではないのでスリーブに入れていません。

使ったスリーブは101枚入りなので、2袋でちょうど足ります(202枚。88枚あまる計算です)。1袋では13枚足りません。

なお、スリーブのサイズ表記は媒体によって「縦×横」と「横×縦」が入れ替わっていることがあります。また同じ規格でもメーカーによって0.5mm程度の差が出ます。ぴったり重ねたい場合は同じブランドで揃えると安心です。


まとめ

  • 前作の骨格はしっかり残っている
  • フグの仕掛けは良い
  • 切り札が毎回変わる新要素は、マストフォローの構造上あまり効いていない印象
  • 前作を持っていても、2箱目として買うのはあり
  • ただし未所持なら、まずは前作から

スリーブとサイズ

1229756×8750mm
箱 122×97mm カード 56×87mm 小箱 上から見た図です。同じ縮尺で描いています。数値の出所は下の一覧に示しています。

スリーブを入れた結果

箱に収まる
○ 収まる
使ったスリーブ
ホビーベース 両表面エンボスマットスリーブ ボードゲームサイズ・ソフト(CAC-SL57)
必要枚数
114枚
買うなら
101枚入りを2袋
入れ方
一重

よくシャッフルするゲームなので、すべりを考えてエンボス加工のものを選んだ。早見表はカードではないので入れていない

カード 実測

サイズ
56×87mm
枚数
114枚
スリーブ規格
ボードゲームサイズ

箱 実測

サイズ
122×97mm
重さ
未計測
棚
小箱
持ち運び
カバンに入る

実測値はノギスで測ったもので、版によって差が出ることがあります。ほかのゲームのスリーブ早見表 →